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健康な土作り

おいしいトマトは健康な土作りが基本です。その土作りとは?
具体的な土づくりの作業は年間サイクルをご覧ください

土作りの考え方

トマトの根っこ

「根っこ」を出しながら伸びていきます。
その酸で、いろいろなものを溶かしながら、土の中の養分と水を吸収しています。
作物の根っこは、ポンプのように養分と水を吸い上げるのではなく、圧力(浸透圧)の関係で、養分と水が土の中から根っこに入る仕組みになっています。

土作りは、根っこの環境を良くし、養分と水を吸収しやすくする為に必要な作業です。
そのために土作りの3つの要素である物理性・化学性・生物性をを分析し、健康的でおいしくて安全・安心なトマトができる理想の土に向かって努力し続けています。
最高の土へ、一歩一歩近付くごとに、「おいしさ」がレベルップしていく、それが我が家(農園)の「親バカトマト」です。

土作りの3つの要素

物理性・化学性・生物性の3つの要素から土作りをしています。

物理性からみた土作り⇒団粒構造を作る

団粒構造

「土」はほどよい粘土や砂(無機物)と腐植(土壌有機物)、微生物の働きで出来ています。
腐植とは、堆肥のような、落ち葉やモミガラ、動物のフンなどが微生物の働きにより分解されて出来たものです。
腐植があると、粘土や砂、更に土中微生物ともくっつきフカフカの通気性のよい団粒構造になります。
団粒構造が出来ると水はけがよく、しかも適度に水もち(保水性)もある、根が伸びやすい土壌環境ができるのです。
助川農園でも、1年間寝かせ熟成し、腐植化したモミガラ堆肥を毎年トマトの植え付け前に施肥をしているのですが、毎年それを繰り返すことにより、しっかりとした団粒構造が出来ています。

化学性⇒土壌分析をし適正な施肥をする

人間で言うと、健康診断の数値です。下記の項目について分析し、常にチェックしています。

  • PH
  • 五大要素(窒素N、リン酸P、カリK、苦土Mg、石灰Ca)
  • 塩基置換容量(CEC 肥料を蓄えておける力)
  • 塩基飽和度

一番大切なのは、バランスをとることです。
窒素、リン酸は、トマトに合ったバランスにし、塩基バランスは、石灰50、苦土20、加里5のバランスを常に整えます。これが崩れると、おいしいトマトが出来ません。

また助川農園のあるいわきの海岸部の土は砂質なので、塩基置換容量が低い性質があります。
人間に例えると胃袋が小さいので、どんなにご飯(肥料)を食べても、沢山入っていかないようなものです。
土の胃袋を少しでも大きくするために、完熟堆肥とゼオライトやモンモリナイトなどの塩基置換容量が非常に高い粘土鉱物資材を混入し、土壌改良をしています。

生物性⇒微生物バランスを整え連作障害を回避する

土壌還元消毒

土の中にいる微生物の分野です。
同じ作物を作り続けると、その作物の根っこから出る「酸」の好きな微生物ばかりが増えてしまい、土中の微生物のバランスが崩れてしまいます。
結果、根っこが正常な働きが出来なくなるので、病害虫などが発生し連作障害が起こります。

その解決法として、輪作体系をとることが基本とされています。
助川農園でも以前は、ナス科のトマトの収穫終了後、ウリ科のキュウリやイネ科や豆科の緑肥を植えたりして輪作体系をとっていましたが、現在は「還元土壌消毒」(写真参照)をして、連作をしているとどうしても発生してしまう土壌病害虫を防除し、トマトに有用な微生物環境を整えています。

また、良質な堆肥を「ちょーど良い量」投入することによって、堆肥中に大量に含まれる優良な微生物が、土中の根っこの働きを良くしているので、堆肥は欠かせません。

※還元土壌消毒について詳しくは「年間サイクル」の中の「土作り」のページをご覧ください

土作りに力を入れた結果

上記の「土作りの3つの要素」を基本に、勘に頼るのではなく数値化された科学的な土作りを行うようになった結果、より安全で安心な、美味しいトマトができ、減農薬につながっています。

  • 土に含まれているミネラル分がトマトの栄養になり、栄養価も高く甘味と酸味のバランスがとれた、品質の良いコクがあるトマトが出来るようになりました。
  • 11月から翌年の7月までと長期的に栽培が可能になりました。
  • 病気にかかりにくくなり、農薬散布の量が減りました。⇒特別栽培農産物認証が可能となりました。(詳しくは特別栽培農産物認証のページへ)