昭和63年(1988年)、40歳。就農して20年目という節目の年でした。
ちょうど農業青年会議所という組織活動をしていましたので、その有志で農業講座を開催してみてはどうかという相談をいわき市の農政部から受けたのです。
今のポジションでいうと、農林水産部の農業水産係のWさんという方でした。1年目はなんとなくじゃあ聞いてみようかということで、農業講座に参加しました。
それ以前も、ハウス部会とか農業後継者会とかの組織の中で講師を呼んで、いろんな農業関係の講師の先生から農業の話を聞きました。
どの先生も立派なことをおっしゃるのですが、必ずその後に、「私の理論を全うするには、この資材が必要なんです」ということで、物売りなんですね。
必ず後から物がついてきて、「それを使わないとその農法は実賎できないですよ」というような講演だったものですから、本当にどっぶりそれを深く追及しようという気持ちにはなかなかなれなくて、自分のやっていることが一番いいんだというような感覚で捉えていたのです。
しかし、今度の農業講座の先生はちょっと違っていました。
「自分たちが今やっていることからできることから始めてください」という言い方をしてくれましたので、「おう、なんとか、これは金を出さなくていいんだな」という安易な感覚で付き合いが始まったのです。
農業講座は昭和63年から平成4年まで5年間あったのですが、その中でいろんなテーマを決めて活動を行ないました。
現在私の農業を継続していられるのも、お世話になった先生がいっぱいいるのですが、特に良質の野菜を安定的に高価格でという現在の農業スタイルに変わってきた背景には、この農業講座の影響が一番大きいと私は思っているのです。
中味について少し触れますと静岡県のある農場の先生が講師で、K先生といます。 K先生の理論というのが、自然農法というものなのです。
一言でいえば、身の回りにあるいろんなものを有効に使って、有機質を中心に減農薬にもっていってはいかがですかということなのです。
その中で年次計画を立てて、昭和63年は市内一円の講座生を対象に、堆肥作り、土の中の話などいろんな講義をしました。